お墓に次男は入れないのでしょうか?

2017年4月2日

法律的な制限はありませんが、慣習的には一つのお墓には入れるのは、そのお墓の永代使用権者の家族に限られているのが一般的です。

 

ただ諸般の事情があり、永代使用権者が認めたときには、独立した次男などそれ以外の人が本家のお墓に入ることも可能です。墓地の管理規約で埋葬可能な人の範囲を定めていることもあります。

永代使用権者の意志と管理規約で決まる

結論から言うと、お墓の「所有者」である永代使用権者が認めれば、どんな人も希望したお墓に入ることができます。次男や三男はもちろん、結婚して家を出た長女や次女、極端な例では赤の他人であっても可能です。

 

法律的な規制もありません。「墓地、埋葬等に関する法律」の第13条では「墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければこれを拒んではならない」と定められています。

 

ただ墓地・霊園の管理規約で、埋葬できる人の範囲が決められていることがあるので、その点だけは確認が必要です。一般的には「永代使用権者の家族」に限定されていることが多めです。

独立した次男は通常は独自にお墓を建てる

一般的な慣習では、一つのお墓には入れるのは永代使用者の家族に限定されています。つまり長男が本家を継ぐ場合、「本家」のお墓に入るのは長男とその妻、子供たちということになります。養子縁組をした場合は養子も家族に含まれ、そのお墓に入ります。

 

一方、成人して独立した(新しく戸籍を作った)次男や三男は「分家」として独自にお墓を建てるものとされています。また嫁いだ女性は婚家のお墓に入るのが普通です。

 

もともとは「本家」「分家」という習わしからできた慣習ですが、長く踏襲されてきたのは「お骨を納めるスペースに限りがある」という物理的な事情のためでもあります。

 

ただし、以下のような場合は慣習的にも本家のお墓に入ることが珍しくありません。

 

・次男、三男、長女、次女等が未婚の場合。

・次男、三男等で結婚はしているが、あとを継ぐ子供がいない場合(このケースでは次男、三男の妻も本家の墓に入れる)。

 

いずれの場合も、お墓を建てたとしても守ってくれる人がいないため、長く供養してもらえるよう本家のお墓に入れるケースが多めです。前述の通り永代使用者の許可と管理規約による容認が必要です。状況によってはお墓の建立費用や管理費用などを一部負担するなどの話し合いをしておくとよいでしょう。

人間関係や宗教上の理由などがある場合はケースバイケースで対応

近年は結婚した女性が婚家のお墓に入るのを避けたがるケースが増えています。姑など婚家の人との人間関係や、信仰する宗教が異なることなどが主な要因です。

 

そういった場合には新たにお墓を建てるか、実家のお墓に入ることになりますが、実家のお墓に入る場合には永代使用権者の許可が必要となります。

 

同じく、離婚した女性も実家のお墓に入るケースが多めですが、離婚後も夫の姓を名乗る場合には、そのお墓に埋葬されていることがわからなくなるため、墓誌などを建てて名前を刻んでもらうとよいでしょう。

まとめ

お墓に入れる人の範囲は、地域性やその家の考え方などによっても異なります。生涯未婚男性が2割を超えるなど、時代とともに家族のあり方が変わる中、次男が入るお墓についてもさまざまな考え方があるかもしれません。

 

詳しくは永代使用権者と相談し、管理規約の中で決めるとよいでしょう。