払えない人続出? お墓の維持費はどれくらいかかる?

2017年3月20日

お墓の維持費はどのくらいかかる? 運営者で相場の違いが

お墓の維持費は年間2万円~8万円程度です。

 

墓地は購入するのではなく「賃貸」されるものなので、「共益費」にあたる「管理費」と草抜きなどの「掃除費用」がかかります。

 

■維持費として通常意識されているのは管理費と掃除費用です。

運営母体によって管理費の金額帯にはかなりの差があります。一般に公営霊園は安く、市営霊園は高いです。寺院墓地は伊勢には非常に少ないですが、寺院によりそれぞれだと思います。

維持費の価格は、サービス・安心感と連動

○公営霊園

市区町村などが運営する公営霊園の維持費は、年間1,000円~1万円程度です。地方自治体が運営母体となっているため、管理費なども低めに抑えられています。価格差は墓地が広いほど管理費も掃除費用も高くなるので生じます。

 

掃除に関して、伊勢やすらぎ公園の場合は公園事務所でも取次ぎをしていただけれるようなのでシルバー人材センターに頼む方が多いようです。年間契約で依頼すれば安く引き受けていただき、手続きも楽です。

 

なお、伊勢やすらぎ公園には永代管理制度があり、現在ご健在な家族を登録しておきその中で最後の方がお亡くなりになって33年後まで維持管理をしてくれる制度があります。

 

一時払いなので高額(2平米墓地で60万円+税)ではありますが、制度に加入した時点からそれこそ永代に管理していただけますので、非常に好評で毎月多くの方が申し込まれています。特にお子様がない方や、娘様ばかりで跡継ぎがいらっしゃらない方に喜ばれています。

 

○民営霊園

民営霊園の維持費は伊勢周辺に限れば1500円~3000円程度です。民間企業や団体が運営するもので、地域や設備によってかなり大きな幅があります。

 

伊勢には民間霊園は少なく、伊勢市周辺には玉城町に幸福寺霊園(ここは宗旨不問です)がある程度です。ここの広さは一坪くらいが多いので掃除費用も含めても年三回程度の掃除であれば3~4万円程度の維持費で済むでしょう。

 

○寺院墓地

寺院霊園と申しましても伊勢には非常に少ないですが、維持費は1万円~2万円程度です。(例外はあると思います) 基本的には檀家になる必要があり、お墓の維持費という形ではなく、檀家の会費である「護持会費」として支払います。檀家になることで、護持会費の他にも寄付やお布施などを求められることがあり、総コストは公営・民営に比べて高額です。

 

ただお墓の維持に限らず、法要など供養全般についてのケアを受けることができるので、なにかと安心感が大きいというメリットがあります。

 

○室内霊園

室内霊園の維持費は5,000円~1万5,000円程度です。都市部にあることが多く、ランニングコストが高めなので、維持費がやや高額に設定されているところも少なくありません。

 

伊勢には、現在室内霊園は、ございません

維持費は何にかかるのか? 意外なその内訳

お墓は一族ごとに専有する区画だけでなく、参道やトイレなどさまざまな施設が設けられています。お墓の維持費は主に、こういった施設の清掃費用や水道代、電気料金などの光熱費を賄うために徴収されています。

 

その他にも、お墓参りの際に利用するバケツやヒシャクなどの備品も維持費で調達されます。そのため地域相場に照らして維持費が安めの霊園では、施設や備品が簡素化されていることがあります。

誰が払う? お墓の維持費にまつわるトラブルは

お墓の維持費にまつわるトラブルで一番多いのは、なんらかの理由で支払われなくなることです。

たとえば、今まで支払っていた「本家の長男」が亡くなったが、その家に跡継ぎがいない時には、維持費を誰に請求すればよいのか、霊園の運営サイドでも把握できないことがあります。

 

維持費の滞納が続くと、場合によってはお墓が撤去されることもあるので注意が必要です。また親族が判明した時には、いきなり数年分の維持費を請求されることがあります。

 

またそういったケースではそもそも「誰がお墓の維持費を負担すべきか」という問題をめぐって、親族間のもめ事が発生することも少なくありません。

 

普段付き合いが少ない兄弟や従兄弟姉妹が、話し合いで折り合いをつけることは簡単ではありません。

まとめ

お墓の維持費は管理者に支払う「管理費」と「掃除費用」が主な費用です。維持費は施設の運営母体により、価格帯に差があります。そして広さに比例して高くなります。

 

維持費は毎年払うのではなく、伊勢やすらぎ公園のように維持費を一度支払えば永代に墓地管理していただける制度もあります。

 

いずれにせよ提供されるサービスと基本的には連動しているので、自身のニーズだけでなく、後々お墓の世話を引き受ける世代のことも考えて選ぶのがよいでしょう。