お墓参りでお供えする花はどのように選べばよいでしょう?

2017年3月25日

お墓参りでお供えする花はどのように選べばよいでしょう?

 

お墓参りでお供えする花に、特に決まりはありません。菊を選ぶことが多めですが、故人や自身の好きな花を供えても問題ありません。仏花は故人や先祖のためというより、お墓参りする人が命の尊さを理解するためのもの、と考えられています。

仏花(供花)は命の尊さを表すもの

お墓参りの際には、お花を供えるのが一般的です。ただ花にはさまざまな種類があるので、どんな花を選べばいいのか迷う方もいます。お供えする花は一般的には「供花(くげ)」と呼び、仏教では特に「仏花(ぶっか)」と呼びます。

 

お墓を綺麗に飾るためのものと思われがちですが、仏教では無常感や命の尊さを教えるためのものとされています。美しい切り花が時間の経過とともにしおれ、枯れていくことから教訓を得るのが仏花の意味と言えます。

 

ですから花はお参りする人の方に正面を向けて生けます。枯れない造花やプリザーブドフラワーなどは不向きと考えるべきでしょう。

菊、樒(しきみ)がよく利用されるが、好みの花をお供えして大丈夫

お墓参りでお供えする花として、よく選ばれるのが菊です。菊には爽やかな香りで邪気を払う効果があるとされるため、仏花に適しているとされています。

 

菊には長持ちするという利点もあるので、お供えした後長く楽しめるのもよいところです。

 

菊とともにポピュラーなのが樒(しきみ)です。花や葉、実に毒性があるので、遺体を土葬にしていた時代には動物による害を避けるため、葬送の際などに利用されていました。現代でもその習慣が残っており、お供え用の花としてしばしば菊とセットで販売されています。

 

ただこういった「いかにもお供え用」という花でなく、故人が好きだった花などを選んでも特に問題はありません。

 

特に伊勢地方では色花は少なく、仏教では樒(しきみ)、神道では榊(さかき)を選ばれることが多いです。理由は定かではありませんが、伊勢地方では明治初期に廃仏毀釈といってお寺が廃寺にされ、全て神道で祀ることを義務づけられた時期が有ります。

 

樒と榊は似ていますので、仏教徒である事を隠すために色花では無く樒を使うようになったのでは?ということではないかとかと私は考えています。

一部には喜ばれない花があるので要注意

決まったルールやタブーはありませんが、さまざまな気づかいから「避けた方が無難」と考えられる花もあるので、その点には配慮しましょう。

 

バラなどトゲのある花はお供えする際にケガをしたり、掃除する方の迷惑になることがあるので避けたいところです。自身がお墓を管理する立場であればまだしもですが、本家の方が掃除する際のことなども意識しておかないと、「配慮が足りない」と見られてしまいがちです。

 

強いニオイがする花や派手な色の花は好みがあるので、やはり避けた方が無難でしょう。つる性の植物など、支えがないとお墓の花入れに生けにくいものも、お墓参りのお供えとしては不適です。

 

宗教的な考えから四九日までは白花がいいとされることもあります。これは四十九日まで故人はあの世で裁きを受ける身なので、「慎ましやかな花を供えた方が好印象」とする考え方です。

まとめ

お墓参りの際にお供えする花は、好みに加えて地域の習慣、日持ちや扱いやすさといった面を考慮して選ぶのがよいでしょう。親族により考え方が違う人もいますから、話し合って決めるのもおすすめです。