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お墓はいらないという人が増えていますがどういったデメリットがありますか?

2017年3月24日

お墓はいらないという場合には、遺骨は散骨したり合同墓地に納められます。親族などの同意を得ていないとトラブルになりがちですし、遺族にとっては思いを託すものがないため気持ちが不安定になることもあります。

お墓やお葬式は不要という「ゼロ死」が流行り

お墓やお葬式は不要とする「ゼロ死」に関心を持つ人が増えています。葬儀は行わずに故人を火葬し、お墓も作らないというものです。

 

遺骨は火葬場で処分したり海に散骨したり、あるいは樹木の根元に埋める「樹木葬」にします。仏壇も持たず、故人を偲ぶよすがになるものは遺影だけというスタイルです。

 

家族の形や宗教との関わりが変化する中、「子供や子孫に負担をかけたくない」という思いで、このゼロ死を選ぶ人が増加しています。

ゼロ死には遺族の負担がかからないメリット

ゼロ死のメリットはなんと言っても死にまつわるコストがかからないことです。日本消費者協会の調査によると、葬儀の平均費用は200万円弱となっています。またお墓の価格(永代使用料+墓石の価格)もやはり全国平均200万円程度ですから、合計すると400万円ほどかかることになります。

 

さらにお墓を維持するには管理費などの維持費を支払続ける必要があります。子供や子孫が負うそういった負担をなくすことができるのが、ゼロ死における最大のメリットと言えます。

 

親族間が疎遠であったり不仲だったりする場合には、葬儀や法要のために連絡を取る苦労を省けるのもゼロ死のよいところかもしれません。

火葬後の遺骨は粉砕 親族間でトラブルも

一方、ゼロ死にはデメリットもあります。ゼロ死として埋葬の費用を最大限に削減するには、火葬後の遺骨を粉砕して他人のものと一緒に合同墓地に納めることになります。

 

骨を一緒にされることについて、心理的な抵抗がある人は多いでしょう。たとえ故人の希望であっても、親族など関係者の間で同意を得ていないと、後々トラブルになる可能性はかなり高めです。

 

葬儀を行わないため、遺族が心の踏ん切りをつけにくいという心理的なデメリットもあります。家族の死は大きな悲しみをもたらします。葬儀や法要を重ね、その中で家族や親戚、友人などと思い出を語ったり励まし合ったりすることで、悲しみは徐々に癒えていくものです。

 

そういった機会がゼロになってしまえば、それだけ喪失のダメージから立ち直ることが難しくなるでしょう。

 

葬儀にはまた故人を偲ぶとともに、親族などに対して「これからもどうぞよろしく」と挨拶をする場でもあります。

 

故人を通じてつながっていた人との絆を作り直す機会でもあるので、遺族のその後を考えると、葬儀や法要を行わないことのデメリットは一般に認識されているよりかなり大きなものと言えそうです。

まとめ

葬儀をせずお墓を持たないゼロ死は、経済的な面ではそれなりのメリットがあります。ただ、そういった儀式や施設が人の心にもたらす影響はお金に換算できません。

 

次の時代を担う子供たちにとっても、人の死に触れることでさまざまなことを学ぶ大切な機会であり場所です。単に経済的な側面から判断するのは性急という見方もできます。