お墓のお供え物はどんなものがいいですか?

2017年4月12日

お墓参りの際には墓前にさまざまな飲食物をお供えします。

基本的にはどんなものを選んでも問題ありませんから、故人が好きだったものなどを持って行くのがよいでしょう。

ただ地域によってはお供え物にも特徴がありますし、お墓の管理や保全上好ましくないものもあります。

また春と秋のお彼岸ではお供えする物に違いがあるので、留意しておきたいところです。

オススメは、お菓子や果物、お酒など「故人が好きだったもの」

お墓参りは故人のお墓を訪れることで、亡くなった人を供養したり、ご先祖様に対して自分が今在ることへの感謝の念を新たにする機会です。

お供え物はそんな供養や感謝の意味を込めて故人に贈る物ですから、特に決まりはなく故人の好きだった物を選ぶのもよいとされています。

 

一般的にはクッキーなどの日持ちする焼き菓子、果物、故人の好きだったお酒やジュースなどの飲料をお供えすることが多めです。

お墓へのアクセスを考えて、あまり重たい物や運搬に気を遣う物は避けた方が賢明でしょう。

 

お供えは、故人の好きだったものを。

お供えのマナー「お供え物は放置せずに持ち帰るかその場でいただく」

故人への贈り物ですから「墓前に置いてきたい」と考える人もいるでしょうけれど、お供えした物は放置しないのが作法です。

かつては「故人と飲食をともにすることで供養する」という考えもあり、持参した人がその場でいただくのがよいとされていました。

墓前にスペースがある場合や、霊園に休憩所や東屋などがある場合は、現在でも一緒に来た人たちと故人を偲びながらいただくのもよいでしょう。

 

ちなみに「一緒にいただくのだから」とジュースやお酒などの飲料を墓石にかけるのはNGです。

墓石の傷みや汚れにつながるので避けましょう。

飲食できる適当な場所が見当たらない時には、お供え物は持ち帰って家でいただくようにしましょう。

放置すると腐ったり動物に荒らされたりすることがあるためです。

腐敗すると墓石が汚れ、染みが付くことがあります。

缶入りの飲料なども放置すると缶が錆びてやはり墓石に錆が付着してしまうケースが見られます。

お彼岸のお供えに「春はぼた餅 秋はおはぎ」

お供え物には地域性がありますが、春と秋のお彼岸にはぼた餅やおはぎをお供えする風習が多くの地域で見られます。

ぼた餅・おはぎをお供えするのは小豆に「魔除け」としての効果があると考えられていたためです。

古くから日本では赤い色には悪い物を追い払う力があるとされてきました。

 

また古い時代には砂糖は貴重品だったため、小豆と砂糖を合わせて作るぼた餅・おはぎは邪気を祓って家族の健勝を願い、ご先祖への感謝を表すお供えとして定着したのです。

ちなみにぼた餅は「牡丹餅」がなまったもので、牡丹が咲く春のお彼岸のお供えに、一方のおはぎは漢字で書くと「御萩」となり、秋のお彼岸のお供えとされています。

確かな定義はありませんが、ぼた餅はこしあん、おはぎは粒あんと区別されているケースが多いようです。

 

一見似ているけれど・・・春はぼた餅 秋はおはぎ

まとめ

親戚や友人に贈り物をするのと同じく、お供えにも決まったルールがあるわけではありません。

「相手が喜んでくれそうな物を選ぶ」という考え方を基本にしてよいでしょう。

ただお墓の清掃や管理、持って行く人の都合などもありますから、多方面に配慮して選択すれば、より多くの人が気持ちよくお墓参りできるはずです。